腰椎間板の脱、突出により生じる腰痛、座骨神経痛の代表的な起因疾患である。
(病態)
腰椎は通常5つあります。その各腰椎の間にあってクッションの役目(緩衝器)をしている部分の名称を椎間板と名付けています。
明瞭な外傷が機転となりヘルニアが発症するもの、年齢とともに進行する椎間板変性のもの、素因的なもの等。
脱、突出は、前後、上、下いずれにも起こるが、最も多いのは力学的に最も弱い、後側方に生ずることが1番多い。
5つの腰椎間(L1〜L5)の第4腰椎と第5腰椎間の起こる事が最も多い。
20代前半より50才代にかけて多い。
(臨床症状)
重い荷物を持ったり、せき、くしゃみにより発症しやすく、前屈が制限され、腰痛のみでなく座骨神経痛が主症状になることが多い。
座骨神経痛は臀部より大腿背面、下腿外側、足先まで放散しますが足の知覚異常や脱力を訴えることが多い。
(治療)
1)保存治療
・安静と薬物治療
急性期治療は、まず絶対安静、臥症が原則である。
寝物は硬めにするとよい。消炎鎮痛剤や筋弛緩剤の併用(経口、坐剤)が行われる。
・コルセット
急性期を過ぎたものには、軟性腰椎用コルセットが処方される。
・温熱療法
ホットパック、起短波、マイクロウェーブも急性期を過ぎた頃より使用される。
・牽引療法
牽引により安静が強化され、腰椎前彎をとり、スパズ4をとるといわれる。
・その他
再発防止には体操療法として、腹筋、背筋の強化が大切。
2)手術療法
・疾病が激しく、3ヶ月以上の徹底した安静と保存治療で緩解しないもの、再発性で日常生活、社会活動に支障をきたすものに行われます。
中心性ヘルニアで膀胱直腸障害のあるものは、緊急手術の対象となります。
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